車検はカーライフで最大の出費!?車検を何とか安くしたいなら!
新車の時は3年、それ以降は2年に一度必ずやって来る車検は、車を維持していくうえで必ずしなければいけないこと。
1年に一回の自動車税納付や日頃のオイル交換、タイヤ交換などのメンテナンス代と比べても大きな出費であり、どんなに頑張っても安く上げることができない事が多い費用でもあります。
世界の車検時事情
中国や中東、東南アジア各国では車検なんてない国がほとんど、車の安全管理は自分自身でやるのが当たり前です。
GMやフォードなど、世界的自動車メーカーが多く存在するアメリカですが、実はほとんどの州で車検が存在しません。
また、近年都市部を大量に走りまわっていたバイクが、自動車にスイッチし始めているインドでも車検がまだ存在しませんが、その代わりに7年経過すると強制廃車だそうですし、車検がないなんていつ車が壊れてしまうか不安でなりません。
ですので、日本では車検代がある程度の金額になっても、「仕方がない」とあきらめているはずですが、実はこの車検代は「ユーザー車検」を受けることで、大幅に節約できる可能性大なのです。
ドイツの方式がヒント
日本と同様に、ちゃんと車検がある国もたくさん存在しますが、実は日本の車検代は海外に比べると異常に高い。
日本では軽自動車でも5~6万円、乗用車なら7~8万円かかるのが当たり前ですが、日本同様に自動車大国であるドイツではそれが5,000円程度。
なぜこんなに安上がりなのか、それは車検そのものの順番に秘密があり、そこに日本での車検を安上がりにすることができるヒントが隠されています。
それは日本の場合まず、車検時期が来たらディーラーや車屋さんなどに車体を持ち込んで「見積り」を受けます。
この時、交換する必要のある個所もしくはこちらが重要事項なのですが、交換しなければ車検を通過しない「可能性がある」個所が発見されれば、部品などを前もって注文。
交換・整備などを受けたの後検査に回り、その車検料金が確定する「前整備後検査」方式です。
一方、ドイツの車検はまず車検検査項目を法定検査場が検査をし、不合格だった「箇所だけを」後で整備する「前検査後整備」方式を取っており、その検査費用が5,000円程度という意味なのです。
そして日本にもドイツと同じく、「前検査後整備」方式で車検を受けることができる唯一ともいえる方法が存在し、それがユーザー車検です。
車検とはどういうものなのか知っておこう!
ユーザー車検について述べる前に、まずは車検がどういうもので、どんなことをしているのかを知っておかねばいけません。
車検について詳しくやると、非常にメカニカルになってくるので端的に説明すると、
1、曲がる・止まる・まっすぐ走るという自動車3原則がちゃんと備わっている。
2、各種ライト・指示灯・ホーン・前後左右特にフロントガラスの視野確保など、安全に走行できる環境が整っている。
3、排ガスや消音など環境や騒音被害に配慮した性能を維持している。
4、税金の支払いと自賠責保険の加入がされている。
という、主に4点をチェックするのが車検というものです。
そして、車検の検査内容は世界のトヨタであろうが街の指定工場だろうが、小さな小さな修理工場だろうが一切変わりなく、国の定めた点検項目をクリアさえしていれば「今のところ」公道を走る許可である車検をパスします。
筆者が車業界の属していた時、よく耳にしていたお客さんの言葉の中に、「車検は信用のおけるところでしないと…2年のうちに壊れたら高い車検代が損」という言葉。
多くの方が勘違いしているので、ここでバシッと言っておきたいのですが、車検とは「2年間乗ることができる確約」をしているわけではなく、「2年間乗っても今のところOK」という検査結果を証明しているだけ。
ぶっちゃけて言うと、エンジンオイルを2年間全然替えてなかろうが、法定安全点検を受けたことが無かろうが、決まった項目さえクリアしていれば車検は通過します。
ですので、どんな信用のある店で車検を受けたとしても、可能性の話だけでいえば車検を受けた翌日に、車が壊れてしまう事もあるってことを忘れてはいけません。
車検代行料、車検基本料などを支払うのはもったいない!
ほとんどの方が車を購入したディーラーや中古車店、さらにはカー用品店やガソリンスタンドなどに車検を依頼しているはずですが、前項でもいったように法律の網をくぐって違法に車検をパスさせる「闇車検」でもない限り、課せられている車検点検項目をこのすべてが順守している事実は間違いありません。
変わってくるのは、
1、自社指定工場で車検検査をすべて行う。
2、他社の民間指定工場に持ち込んで検査する。
3、最寄りの陸運局・軽自動車検査協会に持ち込んで検査料を支払い検査をしてもらう。
といった具合に、実際に車検検査を実施する場所が、3パターンあることだけでしょう。
ディーラーや大規模の中古車店、チェーン展開しているカー用品店などは、自社で指定工場を完備していることも多く「1」のパターンで車検を完了させ、中小規模の中古車店や修理工場は「2」または「3」のパターンで顧客から依頼された車検を代行します。
そして、1の場合は「車検基本料」などの名目2,3の場合は「車検代行料」などの名前で車検代の一部として依頼客に請求が来るはずです。
その相場は安いところで1万円、高いディーラーなどでは2万円あたりが相場となっていて、皆さん何の疑いもなくそれを支払っているはずです。
もちろん、24ヶ月点検の実施や、車検点検項目ではない箇所の安全点検など、いろいろな付加価値をつけているので一概に無駄なお金を支払っているとは言いません。
ですが、今回の記事の趣旨は「いかに車検を安く節約できるか」の一点に集中しているので、この2つを支払わなくていいユーザー車検を勧めているのです。
ユーザー車検の場合、この車検代行料・基本料に当たるのは陸運局もしくは軽自動車検査協会に支払う必要のある「検査手数料」となりますが、この検査手数料実は…
小型普通車の場合・・・1,700円(訂紙・印紙代)
それ以外の普通乗用車・・・1,800円(訂紙・印紙代)
軽自動車・・・1,430円(用紙・印紙代)
これだけです。
「え~!!」と思った方もいるはず、そうですこんなに安い、実は先程紹介したドイツよりも安いんです。
結構前に紹介しましたが、業者に車検を依頼するときのパターンの「3」ですが、これって業者は陸運局や検査協会に「持ち込んでいるだけ」なのですから、その往復費用として1万円とか2万円とかの「代行料」や「手数料」を請求してるってことです。
もちろん車検にひっかるところがある場合は、それを事前に整備する必要があります。
ですが、外国車はともかく国産の車に乗っていて、
1、新車からの初回、もしくは5年目の2回目車検で走行距離が5万km以下の車体。
2、前回の車検で多くの車検交換部品が発生して、お金がずいぶんとかかった車体。
の場合、主に消耗品である車検での「必須部品」の交換や追加整備の必要性が低いことが考えられるので、前検査方式のユーザー車検を使ってもリスクが低いと考えられます。
特に1の場合は、即日ユーザー車検一発合格確定ともいえるので、そういった車に今お乗りの方で、車検代を極力抑えたいという方は、若干の手間はかかりますが、ユーザー車検について考慮に入れてもいいのではないかと思います。
まとめ
ユーザー車検をすれば、車検代が節約できるとして勧めてきたからには、そのデメリットについても触れておく必要があるでしょう。
前検査方式であるユーザー車検では、もし車検項目にひっかっかった場合、自分の力でその整備や部品交換をしてくれるところを探さねばいけません。
それを防ぐには、事前にしっかりとした車検対象項目のチェックが不可欠なのですが…。
その方法については、次回実践編の中でユーザー車検のやり方として順を追って詳しく紹介していきますので、興味を持った方は見逃し厳禁です。