空飛ぶ車が登場するまでは、必ず自動車に装着されているタイヤ。

実は本のはがき1枚分の設置でトンを超えることもある車体を支え、数十km/h以上で安全に走行できる性能を持っているこのゴム製品をしっかりと選ぶことは、車種選択と並んで重要なことです。

ブリヂストンタイヤの特徴とおすすめ銘柄

世界的に認められている国内最大手。実はその売り上げの70%近くが欧米であるブリヂストンは、2006年にミシュランを抜き世界シェアNo1になった日本を、いや世界を代表する巨大タイヤメーカーで業界では「BS(ビーエス)」という略称で呼ばれています。

モータースポーツへのタイヤ提供も盛んで世界のタイヤ売り上げを左右することもあった全盛期のF1おいて当時最強を誇っていた「ミカ・ハッキネン」によってはじめてBSに世界タイトルがもたらされるとその後も複数回、世界の頂点に立ちました。

ブランド力が最大の強み

世界的に、このモータースポーツでの活躍によってその知名度が高まったのが現在のBSのブランド力を強めたきっかけではありますが、肝心のタイヤ品質についてのその評価も世界中で非常に高い。

「BSなら間違いないから」と言ってそれを進める車業者やカー用品店も多い、ゆるぎない信頼感を持つタイヤメーカーです。

おすすめのタイヤ「REGNO(レグノ)」

高級ホテルの送迎ハイヤーなどにも使われるBSの最高級タイヤブランド

安全性能と静粛性を追求して1981年から販売されている、BSの最高ランクタイヤブランドで、その走行中のノイズの少なさから、カーコンポのボリュームを1つ2つ下げることができるという評判まである銘柄です。

普通車用の「GR-X1」、ミニバン専用で低燃費性も高めている「GR-VT2」、軽自動車用の「GR-Leggere」が現行のラインナップ。

気になるのはその値段、プリウスなど、メジャーな普通車のタイヤサイズである「195-65-15」で同社他ラインナップの価格を見てみると、

プレイズ(PX)・・・税抜16,800円

ドライバーの快適性に着目して開発されたブランド、「疲れにくい」ことが安全運転に繋がることを商品コンセプトにしている。

エコピア(NH100)・・・税抜16,300円

低燃費性能を高めつつ、雨の日などのグリップ性能や直進安定性、さらに長く使えるロングライフタイヤという経済面にも配慮されたブランド。

ネクストリー・・・税抜13,070円

長くBSのスタンダードタイヤブランドであった「スニーカー」の後継ブランド、リーズナブルな価格帯は維持しつつエコピアにも負けない低燃費性能を持つ。

(価格はメーカー公式サイトを参考1本当たり)

となっているのに対し、レグノGR-X1は税抜18,300円とかなりの高額。

ですが、装着すれば抜群の乗り心地でワンランク上のドライブを満喫でき、愛車のランクを1つ引き上げるタイヤとしておすすめする名作タイヤです。

ダンロップの特徴とおすすめ銘柄

実はイギリス生まれのタイヤメーカーです。もともとはイギリスで産声を上げたタイヤメーカーですが、現在は日本の住友ゴム工業がそのブランドを保持しています。

阪神淡路大震災の折、その国内メイン工場が壊滅的被害をこうむったことで大きくライバルのBSに後れを取っていますが、近年そのシェアを広げてきています。

2005年に現在欧米諸国を中心に販売されているファルケンを吸収し一時「ダンロップファルケン」と名乗っていました。

今国内では、ダンロップ名義のタイヤしかあまり展開されていませんが、しっかりファルケンタイヤブランドも存続しています。

日本で売られているグットイヤーは住友ゴムが製造

BS、ミシュランとともに世界のタイヤシェア4割を占めるビック3の一角「グットイヤー」ですが、実はその日本工場と国内販売権を持っているのは住友ゴム。

つまり、ダンロップの親会社である住友ゴムは、「ダンロップ・ファルケン・グットイヤー」の3ブランドを同時に展開しているということ。

特に、欧州でその開発が進められているダンロップブランドは、世界においても近年その評価が高くなってきていて現在の世界シェアは、ピレリやコンチネンタルなどと並んで5位グループ。

ポルシェやBMWの新車標準装備タイヤにも、ダンロップが採用されています。

おすすめのタイヤ「LEMANS(ル・マン)5」

初めてタイヤの内側を見たときはびっくりしました。先代のル・マン4から、タイヤの内部に吸音スポンジを組み込んでいる珍しい発想のタイヤで、つい最近新発売されたこの「5」にも、サイレントコアという名前で改良されたそれが組み込まれています。

その静粛性は「DoyouknowSINOBI?」のキャッチフレーズで現在流れているCMで日本の忍者が登場して表現されていますがまさに抜き足差し足、先代より3割以上のノイズカットに成功、会話などの邪魔にならないため長距離ドライブやアウトドアを楽しむファミリー層からの評価も高くなりそうなタイヤです。

また「AA」ランクに引き上げられた低燃費性能と、27%向上した耐摩耗率で経済性に優れる長寿命も実現、お財布に優しいこともそれに拍車をかけるでしょう。

セダンからミニバン、コンパクトカーや軽自動車用のサイズラインナップが揃っていて、その価格は、195-65-15サイズ1本で税抜14,200円ほど。(近所のコスモ石油に電話して調べた結果による)

まだ登場したばかりで口コミなどの情報が少ないですが、レグノの価格を考えると最新技術の詰まったこちらもおすすめタイヤの1つに挙げたいと思います。

ヨコハマタイヤの特徴とおすすめ銘柄

CMソングが必ずヒット?古川グループの一員、横浜ゴム(株)が製造し販売しているヨコハマタイヤ(以下YT)は、BS・ダンロップと並ぶ国内3代タイヤメーカー。

雄大な「地球」の景色のバックに流れる、CMソングを担当したアーチストがブレイクしていくことが有名で、2005年のDefteck、翌年のMONKEYMAJIKなどがその最たるものです。

エコタイヤの国内パイオニア

1998年に販売開始された「DNA」はBS、DFより数年早く低燃費を意識したブランドで、当時値段が高騰をし続けていたガソリン価格の影響もあり、これが大ヒット。

後続他社よりその分野での地位を高めることになり、以降「エコタイヤは横浜」というイメージが、前述したCMとともに業界内に刷り込まれていきました。

おすすめのタイヤ「BluEarth(ブルーアース)」

青い地球を守るという壮大なテーマを持つブランド。

とにかくこのYTは、CM戦略が他の2社より積極的でこのBluEarthのCMは青空や水面の映像が多用され、CMソングにも透き通った歌声で多くのファンを集める、絢香・秦基博・Rake・ゆずなどといったアーチストを起用し、その注目度を高めています。

話題集めだけではもちろんなく、優れた低燃費性能から燃費を気にする方やエコ意識が高い方が選ぶダイハツイースや、トヨタのアクアといったエコカーの新車タイヤとしてもこのBluEarthが採用されています。

現行で、低燃費タイヤとしての最高ランクである「AAA」を取得しているAE-01Fの195-65-15サイズ1本の価格は税抜14,310円(タイヤガーデンHP参考)で、上記で紹介したBSのエコタイヤ「エコピア」よりコスパが高いのもおすすめポイントです。

まとめ

最後にアドバイス、今回紹介した3社のおすすめタイヤの価格は、あくまでメーカー希望価格もしくはその販売チャンネル店での販売価格を参考にしています。

BSは正直かなり値引きにシビアなのですが、他の2社のタイヤについては「4本まとめて返るから値引きして?」などといった価格交渉すると、よりお得に購入できる可能性はありますので、ぜひチャレンジしてみてください。