特に数百万円と高額になることもある車を購入するときは、合わせて自動車ローンを組むことも多いのですが、その金利や手数料には大きく違いがありできれば月々の負担が少ない形でローンを選択したいところです。
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現金一括で買うからまけて!は無理!
一昔前までは自社で月賦を用意していたところもありましたが今ではほとんどが提携する企業のローンをいくつか提示、あるいは黙っていたら勝手に選んでとっとと審査に回すところも多いでしょう。
実はこの自動車ローンを組むことによって、車の販売店は意外に大きな利益を得ていることを皆さんはご存知でしょうか。
今まで何台といわず車を売ってきた筆者も、最初はこの自動車の総額や返済期間の長さ、そして金利・手数料が上がるごとの大きくなる「ローンバック」というバックマージンの多さに正直びっくりしていました。
実は業界では「ネット(原価)金利」とも呼ぶのですが、各ローン会社が実際に設定している金利は中古車屋さんなどで提示されるものより、かなり低いことをほとんどの方が知らないはずです。
例えば、そのローン会社に直接申し込みをすれば4%で組めるはずのものが、いざ中古車屋さんで組むと数%上乗せされた金利で設定されることがほとんど、そしてそれが6%だとしたら差である2%分が報酬としてその販売店の利益になるのです。
ですので、遠い昔「現金でいっぺんに支払うから値段を下げて?」という交渉もできたころもあるにはありましたし、比較的価格の安い中古車などを販売するときは目先の現金欲しさにそれに応じるケースもゼロではありません。
が、基本的にはバックのあるローンを組んでもらった方が車屋さんとしてはありがたい、ですので、「現金一括購入」をちらつかせての値引き交渉なんて今はほとんど通じないのです。
そしてこのローンバック分、つまり車屋さんが設定する「手数料」を払わなくて済むように、自分でローン会社を決め契約する自由も車の購入者にはあり、販売店の言うなりになる必要は全くないのです。
高い金利で組ませようとするところも多数
2%程度の上乗せならば、わざわざ改めて金融機関などに出向かなくても、購入を決めたその場ですべての手続きをしてくれるため「手数料」という名目も若干理解できます。
ですが、中にはその数倍の金利を上乗せし、もはや手数料収入の方がメインなのではないか?とも思える業者もあるので注意。
そういったところは、「うちでローン組んだらもう少し勉強しますよ?」なんて具合にさも恩着せがましく言ってきますが、目安として5~6%を大きく上回る金利のローンすすめてくるところは「眉に唾」をつけて見極めたほうがいいでしょう。
自動車ローンの種類
基本的なことを言えば、使い道が自由なフリーローンに足して自動車ローンは「車の購入資金」という使い道が限定された「目的別ローン」というジャンルに属します。
フリーローンとの違い
本当のところを言えば使い道が自由なフリーローンを改めて組んでも、もっと言えば枠が許すならすでにお持ちのクレジットカードを利用することでも車を買うことはできます。
が、目的別ローンよりこのフリーローンの方が金利がかなり高いため、あまり現実的ではないでしょう。
比較のための設定条件
ここからは各自動車ローンの特徴と金利などを比較し、どのローンを選ぶべきなのかを検証していきますが、比較対象のためにはローンを組む条件を統一しておく必要があります。
そこで今回は、
トヨタウィッシュ1,8A・・・車体価格200万円、頭金なし均等60ヶ月払い
と設定して説明をしていきます。
銀行系自動車ローンの特徴と主な金利
全国展開しているメガバンクから地方銀行、更に信用金庫や各地のJAバンクなどが商品展開しているマイカーローンなどの自動車論のことを総合してこう呼びます。
基本的には満20歳以上で年収も200万円以上、他のローンなどの借り入れも少なく延滞なども経験していない情報もきれいな方が利用できるもので、その銀行系企業と信販会社との二重補償を受けることができる場合審査が通ります。
最も金利が抑えられるのが特徴ですが、何しろ審査が厳しめで所有権がつけられることも多いのがこの銀行系自動車ローンです。
有名どころを紹介すると、
- UFJ銀行 変動金利2,975% 月の返済額35,915円・・・総額215万4,900円
- 三井住友銀行 変動金利4,475% 月の返済額37,263円・・・総額223万5,755円
- JAバンク 固定1,8%+保証料0,83%実質金利2,63% 月の返済額35,609円・・・総額213万6,540円(いずれも2017年2月現在のもの、JAバンクはニコス保証の場合の保証料)
となっています。
JAバンクはその金利の安さが目立ちますが、保証料が別表記になっているので注意。
また、組合員であることや他のローン・共済保険の加入によって金利の優遇などの特徴があり、紹介したのは「JAバンク福岡」のものですが、地方によって金利自体が変わります。
信販系自動車ローンの特徴とその金利
続いてはオリコやジャックス、アプラスなど信販会社が商品を出している自動車ローンについて。
借りやすさ・審査の通りやすさでいえば、銀行系を大きく上回りますがその分金利が高めなところも多いのがネックです。
なぜ高めなのかというと、この信販軽自動車ローンはそのどれもがネットは今大体4~5%で推移しているものの、具体的な金利は自動車の販売店との取り決めで決定しているからです。
つまり、先ほどお話したローンバックが発生する自動車ローンとはこの信販系のことを指していて、その平均は6%から9%といったところ。
正直いくら楽ちんでも二桁を超える金利のローンを組むと、仮に10%のもので上記の購入車種設定に沿えば、
月の返済額42,495円・・・総額254万9,700円
にもなり、最も低金利だったUFJ銀行のそれと比較すると総額でなんと39万4,800円もの差が出てきますので、避けたほうが無難でしょう。
ただ、土日祭日や営業時間外は受け付けも出来ずその審査に数日を要することもある銀行系に対して、信販系は基本年中無休。審査もその手続きのすべてを販売店が代行してくれますし、早ければ数十分でその結果がわかりスムーズな納車ができる点が最大のメリットです。
ディーラー系自動車ローンの特徴とその金利
一方、新車を販売しているトヨタ・日産・ホンダ・三菱などといった国内各メーカーで車を購入する際はそれぞれのグループ内にあるファイナンス子会社が展開しているローンを積極的に薦められます。
それはそうです、車の販売益とそれに合わせて発生するローン金利をグループが両方取りできるのですから、薦めない営業マンはいないはずです。
金利はおおむね4%から5%と信販系のネット金利と同等、これは同グループ内でしっかりとローンでの利益が得られるためローンバックの必要性がそれほどなく、基本ネット金利のままで提示されるのがほとんどだからです。
また、高めに5%とその金利を設定しても、
月の返済額37,744円・・・総額226万4,644円
となり、三井住友銀行とは現時点ではそん色ない水準。
その審査も、信販系ほどではありませんがスピーディーで比較的通りやすいうえ、ディーラーのスタッフが懇切丁寧な態度でその手続きを進めてくれます。
まとめ
車体価格が高くなり、その返済期間が延びるほど、ローン金利がもたらす影響はより大きく、それが家計の負担となってくることもあります。
今回紹介できたのは、大きなメガバンクと信販・ディーラーローンの平均的な金利だけでしたが、地方銀行や信用組合の中にはもっと低い金利のローンを提供しているところもあるので、車の購入時にはこのローン選びを慎重にすることを心がけてください。