やっとここまでたどり着きました。
いやはや、自分でやるときはチャチャっとやるのですが、それを人にしかも文章で伝えようとすると、案外時間がかかるものです。
今回は、筆者が実際に軽自動車検査協会にやってきた時点から、ユーザー車検の手順を順番に説明してまいります。
なお、普通車は陸運局の車検場で受けますが、通常隣接もしくはごく近くにあることが多い。
また、基礎的な検査内容も書類関係も、ほとんど軽と普通車で違いはないので、手順もそれほど変わらないと考えて問題ありません。
目次
まずは受付
ほとんどの陸運局、並びに軽自動車検査協会には入り口近くに総合受付があり、そこでまず手数料(検査料及び記入用紙代)を支払うことになります。
そして、基本的に総合受付の近辺に、自賠責保険に加入できる窓口があり、受付で購入した用紙と納税証明書に車検証、旧自賠責をセットにして渡し自賠責保険代を払えば、その更新と用紙の記入代行までサービスでやってくれます。
たまに、用紙の記入をしてくれない冷たいところもありますが、係員に聞きながら進めればそれほど難しくはないので頑張りましょう。
検査ラインで順番待ち
基本的に軽自動車のユーザー車検は、
1ラウンド 午前8時45分~午前10時15分
2ラウンド 午前10時15分~午前11時45分
お昼休み 1時間
3ラウンド 午後0時45分~午後2時45分
4ラウンド 午後2時15分~午後3時45分
が受付時間、実際の検査は受付の15分後から始まり、最終受付時間の15分後までのスケジュールで行われます。
軽自動車検査協会も陸運局も結構郊外にあることが多いので1ラウンドは結構早く出かけなければいけませんし、最終の4ラウンドで受けてもし再検査になると即日での車検が難しい。
おすすめは2ラウンドで、ここならもしライトとトーインが落ちても、昼休みのうちに十分その対応が取れるので、筆者もこの2ラウンドを狙って検査協会へと向かいました。
先に述べた受付に要する時間は、たとえ初めてでも15分もあれば完了しますので、午前10時を目安に到着受付を済ませて、通常2~3レーン用意されている検査ラインに並ぶこととなります。
昔は初心者向けのマルチレーンと、業者など手慣れた方用のレーンに分かれていましたが、今はほとんどすべて車に乗ったまま検査が進むマルチになっているので、どのレーンに乗っても大丈夫です。(お連れがいる場合、検査場内に入るときは一人だけ乗車しか認められていないので注意)
ただ一部、難しい方のレーンも残っているので、おすすめは並ぶ前の段階でハザード点けておくこと。
このハザード点灯はユーザー車検初心者の証、、すぐに係員が飛んできてどちらのレーンに並ぶべきか指示をしてくれますし、いざ検査レーンに入ったら事細かにそのやり方を指導してくれます。
ライト回りなどの検査
並んでいると、車検の検査を担当する「通検士」の資格を持った係員が不意にやってきて、
- ヘッドライト(上下点灯、ナンバー灯が同時に点くかなど)
- ウインカー(左右、ハザード点灯)
- ストップランプ(ブレーキを踏み点灯)
- バックライト(ギヤをバックに入れる)
- ワイパー作動
- ホーン鳴動
などを、ものすごい早口で指示されますがそこは落ち着いて指示に従ってください。(フォグランプがついている車種はその点灯も確認されるので事前にボタンの場所を確認しておくと◎)
次に車内の点検、後部座席のヘッドレスがあるか、非常灯はあるかなどその他車検点検項目をサッと見ていきます。
ヘッドレスを外していたり、フロントガラスに非認可フィルムを張っているなど、違法改造などをしていなければ、ここはあっけなくクリアするはず。
次に、ボンネットを開けるよう指示があり降車を促されますが、素直に従って指示通りボンネットを開けましょう。
すると、書類と車検証に記されている車体番号と、ボンネット内に刻印されている車体番号が同じかの確認が始まりますが、これも盗難車でもない限り問題ない。
最後に、タイヤのボルトの締め付けがちゃんとなされているかチェックされ、第一段階終了となります。(アルミホイールはイイですが、ホイールカバーがついている車はおうちでマイナスドライバーなどで外しておきましょう。)
いよいよ検査ラインに突入です
順番が近づいてくると、初心者は緊張するでしょうが、焦らず落ち着いて前方の電光掲示に従い場内に入ると、まず排気ガスの一酸化炭素濃度等のチェックを受けます。(たまに点検のラストにこれが来ることもある)
細長いチェッカーが置いてありますので、それをマフラーに差し込むだけでチェック終了、よほどのことがない限りパスするはずです。
その後、すぐ横の検査結果刻印用の機械「レコーダー」に、受付で記入済の自動車検査証を挿入刻印が済めば次に進みます。(筆者の最寄車検場はレコーダー刻印がこの1回こっきり、ただ場所によっては各点検後にこのレコーダーで刻印する所もありますが、以降は省略します。)
次に行われるのはトーイン検査、床に引かれたラインの上を電光板の指示通り、ゆっくりと前進すれば検査終了です。
このトーイン、最近はサイドスリップ検査といいますが、これが通らないことはまあまああります。
もし通らなくても、すぐ調整してもらえるところが検査場の近くにあるので、気にせず次の検査に進みましょう。
なんか遊園地の乗り物みたいで楽しいですよ!
次の段階は、なんだか大きなローラーみたいのがついているところまで前進、これも指示通りの停車位置で停止しましょう。
サイドブレーキの解除と、シフトをニュートラルにする指示がありそれに従うと、車輪の下のローラーが「ギュンギュン」回り始めます。
これはブレーキがちゃんと効いているか調べるための項目、電光の指示通りフットブレーキを強く踏み、次にサイドブレーキをしっかりをかければOK。
昔はこれがややこしかった、マルチでない場合は前輪駆動車と光輪駆動車で載せる車輪が変わるからです。
ただ今は、4輪をすべて乗せて調べるマルチになっていて、機械が勝手にそれを判断してくれるため、自分の車がどっちだったかなんて悩まなくて済みます。
そして、続く検査のスピードメーター検査も車輪を乗せ換えたりせずそのまま可能、ブレーキ検査で引いたサイドブレーキを解除、シフトもドライブレンジに入れ替えて時速40kmまで加速。
知らないうちに前に出てきていたヘッドライトテスターに向かって、時速4kmになった瞬間パッシングすれば完了です。
最難関?ヘッドライトテスターでの光軸チェック
今回は、車検を通すために必要な目立った交換部品が無い体で話を進めていますが、その場合最も不合格判定が出やすいのが、次に行われる光軸チェックです。
ヘッドライトが乗っているうちに切れて、交換した場合などは得に引っかかりやすいのですが、電光版の指示通りアップライトと通常点灯を付け替えてチェックされます。
右・左・上・下それぞれに「〇」が付けば合格次にGO!、どれか1つでも「×」が点灯したら再検査となりますので、後程それはご説明します。
・ここまで合格なら「一発最安車検」ももうすぐ!
筆者の場合、ここまでオールOKだったので、もはや車検後の「お昼ご飯」のことを考えていました。
最後はピット、もしくはリフトアップでの下回り点検を残すのみ、指示通りの場所まで前進してこれまでの点検結果が記された書類を渡しましょう。
素人からすれば、なんでそれで不具合箇所がわかるのか不思議でならないでしょうが、検査員は下回りの方やゆるみなどをハンマーの打音で判断、問題なければそそくさと自動車検査証にハンコをパンパン、それを手渡すと「お疲れさま」と言い残して、次の車を迎え入れます。
軽自動車の場合、基本的に車体を上に上げるリフトでの検査ですので書類への捺印は検査官が兼任しますが、普通車は掘り式ピットでの点検が多いので最終の下回り点検後、検査ラインの出口前に普通設けられている、高速道路の料金所みたいなボックスにいる係員に、書類を渡すことになります。
トーイン(サイドスリップ)or光軸チェックのパスしなかった場合
トーインと光軸の項目で不合格だった!どうしよう!って時は、検査場の近くに必ずある「テスター屋」といわれているところに駆け込んでください。
わざわざ、今はサイドスリップ検査と言っていることが多いのに古臭いトーインとここまで言ってきたのは、このテスター屋さんの看板には「トーイン調整やります」と書いてあることがいまだに多いから。
大体1,500円、高くても2,000円でその2つの調整をすぐ、「あっという間」にしてくれるので、調整後また検査ラインの最後尾に並んで再検査を受けましょう。
入り口付近にいる検査員に「再検査です」と伝える、もしくは検査ラインの入り口に設置されている再検査ボタンを押せば、他の項目をすっ飛ばして必要箇所だけ再検査することができます。
また、事前にしっかりとチェックしておくべきですがストップランプなどが切れてしまっていて不合格になるケースもありますが、検査協会並びに陸運局の車検場事務所にはこのランプ類が簡単なものなら販売しているので、DIY的に自分で付け替えればすぐ再検査に回れます。
ちょっと自信がないなら、近くにあるガソリンスタンドやカー用品店で交換してもらえばOK、ランプライト類の再検査はラインに並ばなくても、検査ラインの出口付近をウロついている(本当にウロウロしてます)検査員を呼び止めその項目をチェック、合格の印鑑をもらえば再検査終了です。
まとめ
最終的には、車検証交付と書かれた窓口に必要書類をすべて提出、数分待てば新しい車検証とステッカーが交付され、無事車検完了です。
筆者の場合、光軸もサイドスリップもOKだったので、総額でも35,000円をちょっと超えた程度で済みました。
意外に簡単で、すごく車のことに詳しくないとできないというものでもありませんので、「ユーザー車検は難しいから…」そう思って代行業者やスタンド、ディーラーなどに何も考えずに任せっきりはもったいない。
特に、年式も新しい車に乗っている方は、各車検場では見学者用のルートや説明ビデオなどを用意しているところもあるので、一度見学だけでも行ってみるとイメージがわきやすいかもしれません。