外車にあこがれた時期もありました。。。
まだ車関係の仕事に無縁だった若かりし頃、先輩に頼み込んで譲ってもらい筆者が乗っていたのは空冷。今の車はすべてラジエターでエンジンを冷やす水冷ですが、昔はエアファンのみでエンジンを冷やすく車がありそれを請う呼びます)のワーゲン「ビートル」でした。
異常に乗りづらくすぐにオーバーヒートする、今考えると不便極まりない車でしたが当時はかっこいい自慢の愛車でした。
その車がある日エンジンがかからなくなり、先輩が行きつけだった専門店に駆け込んだのですが「部品がもうないからどうしようもない」ということで泣く泣く廃車にしたのをよく覚えています。
この年代物のビートルほどではありませんが、外車は不具合が起こるとその修理費用や部品代が高く維持費もかかるのが特徴で、一般的に中古車市場では不人気なのが現実です。
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高級車はやっぱりそれなりに買取してくれます
1台500万円以上するするようなベンツのハイクラスや時に1千万円以上するロールスロイスなどはしっかりとしたメンテナンスを、できれば正規ディーラーに依頼してお金をかけてやっていればやはり高い査定額を受けることは可能です。
ただ、ここではいかにして車を高く査定してもらえるかを述べているのでそういった超高級車の査定については詳しく触れず、中古車市場でよく見かけるレベルの車種にしぼりお話していきます。
でも新車の外車って高いから買取査定もいいんじゃないの?
外車といって真っ先に思いつくのは高級車の代名詞でもあるメルセデスベンツ(ドイツ)やBMW、筆者も乗っていた2016年度トヨタを抜いて世界新車売り上げ台数NO,1になったフォルクスワーゲン(ドイツ)、ゼネラルモータース「GM」(アメリカ)などで、そのどれもが新車が高く、庶民には手の届かないイメージを抱いている方が多いと思います。
しかし、実はリーズナブルな車種も販売していますし、タイのバンコクなどではこれら外国高級車種がたくさん走っている光景をテレビなどで見ることもありますが、なぜこれらの新車価格が日本ではここまで高値になっているのでしょう。
よく言われているのは国内の産業を守るためにかけられる「関税」のせいではないかという意見ですがそれは大きな間違い。
日本は完成した新車に対する関税が世界でも珍しくゼロで、ベンツであろうがポルシェであろうがそれ自体に関税がかけられていることはありません。
単純に高級であることと輸送コストが載せられているのが外国車が高い理由で、さらに立派な建物できりっとしたスーツをまとったスタッフが大勢いる国内正規取扱店の世界一ともいえる高い人件費もその原因です。
ならば、高い新車価格に比例して中古車相場も高いのではないかと思うでしょうが実はそう簡単な話ではないのです。
部品代が高い
筆者のビートルの場合は高いどころか入手すらできませんでしたが、車検整備や何か故障などがあった場合に必要なる部品が国内で変えず輸入に頼るしかないことがまず注射としての評価を下げる原因です。
これは、後に整備士として仕事をしているときにまざまざと見せつけられ「もう外車は買わないでおこう」としみじみ思った理由でもありますが、消耗品であるブレーキパット1つとっても国内同レベルの車種の倍近くの値段がします。
また、中古車を整備する場合同車種のパーツ取り用の車からとった中古部品を使って整備することもあり、日本車はメーカーが同じならば車種や年式が違っても互換性を持たせた部品が多くあるのでそれがおおいに可能です。
ただ、外国車はそもそも玉数が圧倒的に少ないうえ濃くないと保安基準や製造工程が大きく違うためマッチする中古部品がまずなく、どんな整備でも新品を使用しなければいけません。
そのため、たとえオークションで落札してもそれを商品化するのにコストがかかるわけで、必然的に落札相場が下がっていくのです。
整備が大変
外国車は基本的なパーツの構造が各国各メーカーでちりじりバラバラ、日本のメーカーに比べて難解でややこしいのが特徴で、外国車の車検や整備を受け付けない中古車屋さんや整備工場も多く存在します。
はっきり宣言しますが、最も整備しやすい整備の学校で習った基本的な知識が生かせるのは断トツでトヨタ車です。
整備しやすい車=メンテナンスがしやすい=中古車市場で高評価と考えて間違いなく、トヨタ車が世界で高い評価を受け続けている理由はそこにあります。
昔はちょっと複雑なエンジン構造の車が多かったホンダも最近はシンプルでわかりやすい車種をリリースしていて、昔のスポーティーなイメージは薄れましたが、国内ではトヨタに次ぐ2番手新車や中古車の売り上げが上向きなことからもこれが良くわかります。
たとえ受け付けてくれたとしても日本車より高い工賃を請求されるのがまず当たり前で、維持費が膨らんでいくため中古車としての人気が低く、その販売相場が新車価格に比例するほどには上がってきません。
そのため当然買取相場も低めに設定されることになり、査定士が不具合を見つけようとする目も厳しくなってくるわけです。
近年イメージを変えつつある欧州車
外国車はすべからくその中古車買取査定が国産車より渋めなのはどの国のメーカーでも共通です。ただし最近今回世界一をトヨタから奪取したフォルクスワーゲンを筆頭に、日本人のニーズに合った車種を販売しだしていて、これらは中古車市場でも高い評価を受けだしています。
軽自動車が無いんですもの
いま日本の中古車市場を席巻しているのはなんといっても軽自動車とスモールカーです。
しかし、海外にはそもそも軽自動車という概念がなく「セグメント」と呼ばれる世界共通の規格がありその中に日本でいう軽自動車に当たる規格は存在しません。(唯一といってもいいですが、メルセデスグループが販売している「スマートK」は軽自動車カテゴリーに入りますが、ツーシーターですし玉数も極端に少ないですし・・・省いて説明します。)
つまり、国内で最大の人気車種である軽自動車が事実上存在しないので、中古車販売業者が特に外車を積極的に仕入れる必要はないように感じます。
小型コンパクトカーにチャンスを見出したフォルクスワーゲンとBMW
しかしそれに待ったをかけたのがフォルクスワーゲンで、駐車スペースが少なかったり道幅が狭い日本の事情に合わせたコンパクトカーを販売して国内の中古車市場でも人気が高まってきています。
特に「ゴルフ」や「ポロ」などは女性層からの支持も集めていて、街中でよく目にするようになり、合わせて中古車店に並んでいることも多くなりました。
また、BMWの3シリーズもCセグメント(カローラと同クラス)のVWゴルフと人気を二分するほどの評価を集めるDセグメント(マーク2と同クラス)車で毎年国内輸入車登録台数で1,2を争っています。
「ちょっと待って、じゃあアウディは?ミニは?」と突っ込んだ方はなかなか車に詳しい、ただアウディは現在フォルクスワーゲン傘下。
ちなみにですがポルシェやランボルギーニ、ベントレーなどの超が付くような高級車メーカーもVWグループです。
また、そのキュートなボディーラインから人気のミニも実は今ではBMWの1ブランド名です。
アメ車はその頑なさが魅力でもあるのですが
一方通称アメ車と呼ばれるGMやマツダと提携するフォード、ジープなどが有名なクライスラーなどアメリカの各メーカーはいい意味で日本と迎合せず独自の路線を突っ走っているイメージがあります。
これがかえって魅力的だと熱狂的なファンがいるのも事実ですが、これはあくまで一部マニア的な人気なため軒並み中古車市場での評価は高くありません。
ただし、そんなマニアな顧客を抱える専門店なども存在し買取をしているので、餅は餅屋ではないですがチェーン展開している買取店や大型中古車店に持ち込まずそれらに査定を依頼すれば古くても高い査定を引き出せる可能性は欧州車よりも高いかもしれません。
まとめ
個人的な見解を最後に言うなら、外車は好きで乗るもので利便性や買い替えを視野に選ぶものではないと考えています。
ただ、いいなと思ったのが外車であったなら今回述べたことを車種選択の参考にしてみてくださると、その車の買い替え査定時結構役立つのではないかと思います。