事故車ではなく修復歴のある車です!「事故車を買いたくない」や「事故車は売られていないか」など、中古車の状態を表現する言葉としてネット上などで飛び交うのを目にします。
そういった意味での事故車とは、そもそも業界人からすればほとんど全部の中古車が事故車といえます。
というのが、ちょっとしたあてキズやへこみも厳密に言えば事故で得たもので、そのままにしているものや、それを直していれば事故車です。
そういった小傷や修復の後も査定に関わってくることは変わりませんが、一般的に事故車と解釈され皆さんが気にしているのは、中でも大きな接触事故によるもので、フレームまでそのダメージが至り、その修復歴の明記が義務付けられているものを指します。
つまりこういうことです、フレームまで至っていない事故は、業界内では事故ととらえずあくまで修復歴の明記を義務付けられているほどのダメージを負った車両が、皆さんが考えている「事故車」。
それ以下のダメージの車は黙って修復しても販売時素人にそれを見破られることはほとんどないため、わざわざご丁寧にそれを宣伝することなく、ネットや雑誌でも「修復歴なし」と威張って記載できちゃうのです。
ようするに、「これ事故車じゃないよね?」という聞き方は正しくなく、「これ修復歴のある車じゃないよね?」という聞き方が正しい。
そして、大きく査定に関わるのはこの修復歴のある車で、ごまかしが効かないことから中古車屋さんなどでは買取不可になることもしばしばあります。
ただし、この事故車という言葉はあまりに皆さんの中で定着し、それを手がかりのこの記事へ来ていただいた方も多くいるので、「修復歴のある車=事故車」という体で今回はその査定について述べていきたいと思います。
目次
事故車がなぜ査定に大きく響くのか。
人はやはり「いわくつき」のものは嫌なものです。ここでいう事故車は骨格にまで及ぶ大きな事故を起こした車両なので、それに伴って事故当時乗っていたドライバーや同乗者、更に事故相手車両に乗っていた方が大きなけがなどをしている場合も多くあります。
正直なところを言ってしまえば、最悪死亡事故を起こした車両である可能性も全く否定することはできません。
賃貸住宅を探すときにときに、「事故物件」というものがあって地域の同条件の家賃相場よりかなり安い家賃で借りれるケースがあります。
不動産に関してはその「訳」をつぶさに告知する義務がありますが、(これも2年程度が妥当な告知義務発生期間との判決もあり、その間に複数の入居があったら2人目からは義務なしという抜け道があるので注意してください)中古車に関しては事故車を安く買い取り、修復した場合、上記で述べたように修復歴を明らかにしなければいけません。
が、その事故の全貌を明らかにすることはないので、そのまま販売されていることもあります。
このことから「気味が悪いから修復履歴がある車は絶対に嫌!」という心理は多くの購入者が抱く当たり前の気持ちなので、たとえそんな「いわく」が付いていなくても買取業者はやはり極端なマイナス査定をします。
要は人間の背骨みたいなものです
心理面だけでなく、物理的にもフレームにまでダメージが入った事故車に査定が付きにくい理由にはいくつかあります。
まず1つ目は、その修復に多大な費用が掛かることです。
ひどい時は100万円にまで至ることがあるため、こうなると修復して販売するメリットがほとんど出てきません。
次に、程度によりますが仮にそれほど費用が掛からず修復したとしても、
- まっすぐ走る
- しっかり止まる
- きちんと曲がる
という車の絶対条件を満たさない、もしくは将来的に不具合が出るケースが多くみられることが挙げられます。
人間ももし大きなけがなどで脊椎に損傷を受けると、歩行などに重度な「後遺症」が残るときもありますが、自動車も全く同じことが起こるのです。
中古車は一部保証期間などを設けていることもありますが、基本的にはノークレームノーリターンで、クーリングオフもない珍しい商品です。
ただ、この3項目に大きな不具合があることが認められたときは場合によっては返金や無償での修理対応を射しなければならないことがあります。
そのため、事故車を買取わざわざ費用をかけてまで販売するメリットが見いだせないため、「査定額ゼロ」となってしまう場合が増えてくるのです。
高い車ほどより不利になる
この事故車への評価は高級車になればなるほどマイナス幅が増えていきます。
なぜなら高級車の方がフレームの修復や交換に多大なコストがかかるからで、必然的にその査定額は下がっていきます。
しかも、高級車の売りはその安定した走行性や乗り心地の良さにあるため、それに大きな影響を与える事故車は特に敬遠されます。
ちょっと付け加えるなら、修復歴の明示義務にまで至らないものであっても、その外見の良さに興味が向く高級車は、塗装やクリアが高級なものでしかも何重にも塗り重ねられてツヤや強度を出しているものが多くありますので、他の車種より厳しい目で査定されます。
軽自動車はひょっとしたら・・・
一方、その修復費も安上がりな軽自動車の場合、例えフレームが歪んでいても軽いものであれば買取査定が効果ではないにしてもつくケースもあります。
これには、ボンネットやトランクがないことも多い軽自動車は、大けがを伴い「いわく」が付いてしまう大きすぎる事故でなくてもフレームまでダメージが行きやすいこと。
さらに、安価で取引される事故車をそうと知りつつ購入する、軽自動車特有の需要があるためです。
海外への中古車の輸出増加で事故車に光が
日本では乗れなくても海外ならOKな場合が多いのです。そもそも新興のベトナムやインドネシア辺りでは、事故車や修復履歴という概念すらないかもしれません。
筆者は幾度もインドネシアやタイなどに言っていますが、バンコクやジャカルタなど都市中心部ではきれいなベンツやBMW、レクサスなどが多く走っていますが、ひとたび郊外に出れば色あせし、キズやへこみもそのままの日本の中古車があちこちで現役として元気に走り回っているのを見ます。
また、上記で述べた「走る・止まる・曲がる」という車の三大要素をしっかりと調べ中古車の維持で最もコストがかかるのは車検ですが、マレーシアは商業者のみ、タイはなしでインドネシアは任意での車検実施。
つまり、さしたる板金塗装や車検整備をせずとも自走さえしてくれればこれらの国では品質が良く長持ちすると評判に日本の中古車は飛ぶように売れていて、その数は年々増加して今や買取された中古車の販売先は約4割が海外向けなのです。
また、近年は紹介したタイやインドネシアより、中東のUAEへの輸出が増えていますが産油国のこちらに、ガソリンを使う車の中で日本製の車種が好んで選ばれているのも面白い事実です。
優秀なパーツとしての輸出
車のフレームは、中に乗っている人間を事故などから守る役目を持っていますが、それと同時に自信の心臓部であるエンジンなどを保護する役割も担っています。
そして、それら優秀な日本車種のエンジンは、船などのエンジンとして再利用されるケースもありその評価が高いのが特徴です。
国内で分解すると、リサイクル料金が発生するためその解体をリサイクル税のかからない海外工場で行い、還付される預託済リサイクル料金を〇どりする業者も多くいて、それらは「廃車買い取り」などの看板を掲げて重度な事故車を買取しています。
まとめ
少子化や車離れで年々縮小している中古車市場で唯一ともいえる成長要素が海外輸出で、事故車はその下支えをしているものでもあり、今後よりその価値が上がってくるかもしれません。
買取業者は純粋に国内消費だけを目的にしていてそれらに見向きもしないところも多いのでしょう。
ただ、海外進出をすでに果たしているところや新しい市場を見出すために、今後それを狙っているところも少なくないので、査定ゼロを突き付けられてもあきらめず業者探しをしてみてください。
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