カーライフを円滑に進めるためにはローンなどを賢く選択したり、リース制度などをうまく活用することも大切ですが一体それらはどういった仕組みになっているのでしょうか。
目次
残クレとは何?
「新車が半額で!」残クレのカラクリ?最近CMなどでもバンバン流れていて、新車購入のためにディーラーのいくと営業マンから熱心に勧められるこの残クレとは「残価設定ローンクレジット」の略称です。
月々の支払いを少なくできるため、「1ランク上」の新車が買えると人気のこの残クレとは簡単に分かりやすく説明すると
「3年後にまたうちで新車を買って乗り換えることを確約してくれるなら、その時に予想される下取り分(残価分)を前もって引いて、その分だけでローンを組みましょう。」
ということです。
必ず3年後に乗り換えねばならないかというとそういう訳ではなく
1、新車を購入せず車をディーラーに返す(要は売っちゃうってこと)
2、設定されている残価分を一括で買い取る
3、残価分を再度ローンを組みなおして払い、その車に乗り続ける
この3パターンから選ぶことが可能です。
残クレを利用した具体例
ある普通自動車を200万円で新車購入する時にこの残クレを利用したとしましょう。
車種やメーカーによりますが、普通の走行距離(1年に1万km程度)走った3年目の車の下取り相場が4~5割であることから、残価を仮に100万円とすればこの車は半額の100万円3年ローンで購入することができます。
年利3%だったとすると200万円そのままなら毎月の支払いは均等払いで5万8千円程度。
一方残クレを利用すればこれが3万300円程度にまで減少します。
完璧に残クレの方がお得?デメリットはないの?
支払額をチェックしてください。前項の具体例だけ見ると、普通にローンを組むより残クレの方が月の負担が少なくすむのでいいじゃん!って思ってしまいそうですが皆さん付きの支払額をよーく見直してください。
残価が100万円で半分になっているのに月の支払いは半分になってないことに気が付いた方はかなり優秀、実はこの残クレという制度では支払いの際に発生する4%の金利が「しっかり残価分にもかかっている」のです。
つまり、本来同じ金利で100万円の新車を買う時の金利総額は4万7千円程度ですが、残クレで100万円を分割する時の金利総額は実はその倍、9万円以上を支払うことになります。
まあ、それでもかなりの負担減になるから残クレを使おう!という方に、あと2つ気を付けてほしいことをお伝えしておかねばなりません。
走行距離制限をオーバーすると…
残価率が4~5割と述べましたがこれはあくまで設定された走行距離制限を守った場合のお話。
もし走りすぎている場合はそれに応じて違約金が発生し、3年後の残クレ満期時に請求されてしまいます。
メーカーごと変わっていきますが一般的には月に1,000~1500km程度がその条件とされていて、仮に最も短い1,000kmとする3年の残クレ満期までに3万6千kmまでがその走行距離の限界となります。
この3年で3万6千kmというのは長いようで短い、1日に換算すると30km日本の平均的な通勤時間は約30分往復で1時間程度ですので、案外すぐにこの30kmをオーバーします。
オーバーした時の違約金はkm単位で細かく請求されますがその額は1km/10円ほど、仮に1万kmオーバーした場合では何と20万円の違約金が発生するということです。
大きな傷やへこみで減額される
3年乗っているうちに事故を起こして大きな傷やへこみができている場合は、下取り相場が下がるのに併せて当然ですが残価が減額されます。
残価が減るということは、その返却をする場合は新車時に設定されている残価との差額分をディーラーに払わなければならないということですし、それが大きな破損であった場合は返却不可となり設定した残価分をローンなどで支払わなければいけません。(減額されたものでなく新車時に決められた額)
ですので、残クレ設定をする場合には車両保険に加入することを強く進められる、もしくは加入することが残クレにする条件となっているディーラーもあります。
月の返済金額を抑えるために残クレを利用したのに、車両保険の加入で月の保険金支払いが増える、なんてあべこべな状況になるので単なる節約になるとは一概には言えないところです。
また、車内にたばこの臭いなどが酷く残っていたりシートにシミなどがついている場合も同じく減額対象となるため、残クレ設定をした乗り方には非常に気を使わなければいけません。
残クレ利用に適したケース
いろいろなデメリットばかりを伝えてきましたが、それでも月の支払いを大きく抑えながら、最新の車に乗ることができる大きなメリットはやはり魅力的です。
しかし、はっきり言ってヘビースモーカーさんや長距離を走ることが予想されるサラリーマンさんの通勤用車種購入時や、お子様をたくさん後部座席に乗せることもあるワンボックス車を購入する際に残クレを利用するときは、ここまで述べてきたデメリットについてよく吟味する必要があります。
つまり
- 乗車するのが自分だけなど室内の管理がしやすい方
- 普段それほど距離を走らないという方
- 新しい車種に次から次へと乗り換える方
- 普段から車両保険の加入をしている方
などが、この残クレ利用に向いている方々だと考えられます。
カーリースってお得なの?
今たくさんの企業が参入してきています。昔は法人向けのサービスのイメージが強かったカーリースですが今はかなり個人向けの商品も出回っていて、
コスモ石油「スマートビークル」・・・車検代やその時の自賠責保険・税金さらに整備費用まですべて込みのフルメンテナンスパックで、月々2万円台から新車に毎月定額で乗ることができる。
オリックス自動車「カーリース」・・・2年たったら最新車種の乗り換え可能な「いまのりくん」、7年契約で好きな新車に乗って5年目からは乗り換えもできる「いまのりくんセブン」、最も月の定額料が安く約1万円台からと業界トップクラス、9年契約の「いまのりくんナイン」の3パターンからリーススタイルをチョイスできる。
などが現在支持を集めているところです。
例えばコスモ石油「スマートビークル」の場合、今絶大な人気を誇るホンダのN-BOXグレードCのブラックをチョイス。
車検代もオイル交換などのメンテナンス代もコミコミのゴールドプランで5年契約したとすると、月に税込29,160円でガソリン代以外、一切車にその他のお金をかけることなく乗り続けることが可能で、そのガソリン代についても最大リッター5円もの値引きがその契約期間中ずっと受けられます。(頭金、ボーナス払いなしの均等払い)
カーリースの利用に適している人とは
カーリースはその名前の通り借りているだけですので、返却すると売却などでお金を手に入れることはできません。
分かりやすく言えば賃貸マンションに住んでその家賃を払い続けるか、少し頑張ってい戸建てや分譲マンションを購入するのかの違いと同じで、長期的な目で見れば自動車は購入してしまった方が総合的にはメリットがあります。
ただし
- 購入時にローンの手続きや頭金の準備する必要がない
- 自動車税や車検などかかってくる費用とその手続きがいらない
- 独立経営者はリース代を経費として計上できる(購入だと固定資産となるため計上できない)
- メンテナンスを業者が管理するので安全性が高い
- メンテナンス代を含む定額制なので家計の管理がしやすい
などのメリットがあり、さらにプランによっては短いスパンで最新車種のドンドン乗り換えも可能なので、車好きの方に取っては充実したカーライフを満喫できることになります。
カーリースを利用するデメリット
これは、すでに紹介した残クレの利用でのデメリットとほぼ同じですが、その弁済範囲が残価分で済む、名目上は「購入」になる残クレよりこのリースの方が車両の管理に気をかけなければいけません。
契約途中に大きな事故などを起こしたときは即契約終了となり、その車両代を全額弁済しなければなりません。
また、何らかの事情で車が必要なくなって途中で解約するときは、契約時に定められた中途解約金を支払わなければいけないことがほとんどです。
まとめ
今流行りの残クレやカーリースといった、うまく使うと自動車にかかる費用を節約しよりカーライフン充実につながる便利な制度ですが、その利用には多くのデメリットもあるので注意が必要です。
ただ残クレもこれからその制度が成熟していくでしょうし、カーリースも魅力的な商品が登場するはずなので興味を持たれた方は細かくネットなどをチェックしてみてください。