いきなりで恐縮ですが、筆者は廃車手数料というものを払ったことがここ10年は一度もありません。若かりし頃まだ車の知識が浅く1度だけ支払ったことはありますが、今となってはそんな損をわざわざする必要はないことを「重々」わかっているので、そんな費用は支払いません。

おそらく、現時点で車に関わる仕事に従事している方のほとんどが、働いている間に廃車手数料なんてものを払った覚えはないでしょう。

もし、払った覚えのある方がいたら申し訳ありません、それって払う必要のないお金です。

廃車って何?

そもそも廃車というものに対して皆さんの中に大きな誤解があるのでそれを解くことから説明をすすめましょう。

スクラップになるだけ?

「もう査定もつかないし古くなったから廃車にしてください!」

そう依頼して車を引き取ってまラったことも多くの方が経験しているはずで、この時引き受けた業者は必ず、

  • 譲渡証明書
  • 委任状

を提出しているはずです。

よく考えてください、譲渡です、譲り渡しただけでその車をどうしようが実はその業者の自由という意味です。

「廃車をお願いしたはずの車が売られている」なんてクレームを入れても全く持って意味を成しません、だって本をブックオフにもっていって買取値段が付かず、引き取ってもらってもそれが売られているのは当然のことで、古物商とはそれをしていいという資格でもあります。

一時抹消という状態が廃車?

一時抹消持ち込まれた車を引き取った業者はまずそれを一時抹消しますが、この時点で譲渡証明があればその車は業者の所有物になり、生かすも殺すも業者の判断次第になります。

そして業界では、この一時抹消までを廃車とみなし、お客に廃車にしました告げその証明書を届けます。

この手続きに必要なのが委任状などで、費用は350円程度。

場合によってはこの時点で「一時抹消手続き代行手数料」なんて名目のいわゆる廃車量を1万円程度求めてくる業者もいます。

一時抹消はすぐに復活できる

ほとんどの中古車業者では、買取した車や廃車として引き取った車を車検を一時外すためにこの一時抹消をします。

それは自社販売する場合もそうで、よほど長期間車検が残っている場合以外はそうしますが、これは税金などがかからないようにするためなど、様々な管理上の理由と「車検2年付き」という形の方が販売しやすいことなどが理由です。

その名前でわかる通りこの抹消手続きは一時のことで、再度登録をし直すつまり車検を受けることでこの廃車は廃車ではなくなり、売り物に変わります。

そしてそれを販売するのは自由、買取した車は言うまでもなくたとえ一時抹消手数料などの名目で廃車料を払って手放した車が数十万円で売られ、その利益を業者が得ても全く問題ないことなのです。

廃車にすると決めたような車が本当に売れるの?

しかし、そんな廃車にするような車が売れるのかって?売れます、しかもかなりの勢いで。

経験上の話だけでいっても廃車として引き取ったうち本当に屑鉄や山域になるのはそんなに多くありませんし、それは整備や維持に費用のかからない軽自動車になるとその割合はグンと上がります。

また、最近では海外への輸出パイプに乗って国内を飛び出していろいろな地方と国で新しい人生?を謳歌する車も多く、特に国内で売りにくい大型バンや四駆、ディーゼル車などのその人気が集まる都合のよさで、その数は毎年急増しています。

もっと言えば、よっぽどの程度のもので業者がスクラップをすると決め解体業者に持ち込んだ時でも、その解体業者が「まだ売れる」と判断してヤフオクなどに出品して売ることすら最近ではあります。

さらに、一時抹消の車は完全にスクラップにする必要がないので、利用できるパーツが残っている場合は車の修理工場などメカニックが利用するパーツ屋さんに売却されていることもよくあります。

人間でいえば恐ろしいことですが、新車販売台数が多い車や共通の部品が多い車種に関してはもう走れないほどのダメージがあってもそれなりの値段で取引され切り売りされることとなります。

永久抹消とは

パーツも取りつくし整備をしても自走しないような車体は、スクラップにされいよいよ真の廃車となります。

真の廃車とは、その車が自動車としての役目を完全に終え「鉄くず」になった証明が出て初めてされる永久抹消登録のことを言い、こうなるともはや鉄としての価値しかその車体はありません。

ただ、この鉄の価値が年々上がってきていて、それを利益としているのがスクラップ屋です。

リサイクル法以降の情勢変化

平成14年ですから今現在(2017年)から17年前に成立した、正式名を「使用済み自動車の再資源化に関する法律」という車リサイクル法。

道路工事などに使うローラー車やフォークリフト、バイクを除くすべての自動車がその対象で公道を走れないナンバーなしの車体でもこの法律が適応されます。

一体それと廃車にどう関係があるの?

スクラップこの法律が制定される前までは鉄としての価値よりスクラップ時のフロンガス使用箇所やエアコン機構、エアバックなどの除去に手間と費用が掛かっていたため、スクラップ業者はこの費用を持ち込んだ業者に請求していました。

そして、廃車を依頼された時中古車店などはそのリサイクルにかかる費用を客に請求していて、これは自己負担もやむなし仕方のない廃車費用となっていました。

しかし、この法律が施行された結果、新車購入もしくは平成14年以降に車検をするときに前もってリサイクル料を支払ってそれを「リサイクル券」として保管、これをスクラップの時に業者に提出すれば、今まで請求されていた料金は支払い済みとなって請求されません。

つまり「鉄」資源としての価値だけが残るわけで、たとえ無料で廃車を引き受けたとしてもスクラップ屋さんからいくばくかの「くず鉄代」すら受け取れるのです。

それでも威張って請求するかなあ

百歩譲って廃車手数料として請求されても筆者が納得できるのは、正規の事務手数料と、自走できない車を引き取る際にかかるレッカーや車載車両費用ぐらいです。

それ以外の廃車手数料には、その存在意味が全く理解不能で、悪い古い慣習が残っているだけとすら思われます。

しかしここで白状しますと、かくいう筆者もそんな廃車手数料を受け取っていました、申し訳ありません。

ただ言い訳をするなら、当時はリサイクル料の預託が完全にされていませんでしたし、鉄の価値も少なく海外輸出もそれほど盛んではなかったのでご容赦ください。

実体験です

最後は、何の疑いも疑問も持たず高い廃車料を払うのがどれほど不利益なことなのか、実例を挙げて紹介します。

古いエスティマを引き取ったときのお話、今では海外での人気も高いトヨタエスティマですが、当時はそれもなく自走もしない車両だったので、やむなくあるスクラップ屋さんに連絡して引き取ってもらうことに。

その時気になったのがまだ傷もなくきれいだったアルミホイールとコンポ、そして目の深く残っているタイヤ。

どうせ自走しないのでスクラップ屋さんはレッカーか車載で引き取りに来るのでこれらを引っぺがしてしばらく保管していましたが、当時そろそろ盛んになっていたオークションサイトでこれらを出品してみようと考えました。

するとなんとタイヤとホイールは確か7万円以上、コンポも1万円程度で売れてびっくり。

もちろん業者から鉄くず代もいただいたし、持ち込んだお客様については若干気が引けますが、これも車屋さんが利益を上げるためのまっとうな行動です。

まとめ

不当に高い「廃車手数料」という、今なっては荒唐無稽に感じるものがまだまだ請求されていることに憤りを感じているため、今回はかなり感情的になった部分もあり、独断や偏見も織り交ざっています。

絶対にその廃車手数料が不当なもので、業者が暴利をむさぼっているという訳ではなく、まっとうな商行動で、転売がそもそもの業務ですので一概に業者を否定するものではないことをご理解ください。

ただ、読者の利益になるお役立ち記事を目指している立場から言えばその廃車手数料言われるがまま「払ってもいいのか?」と一度踏みとどまって考えることを、車を手放すときには心がけるようにしましょう。

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