基本は同じでございます。トラックの買取査定といっても、他の中古車の査定と何ら変わりなく、
- 年式と車種
- 走行距離
などといった基本情報がその査定額を大きく左右する点は共通。
ただし、トラックだからこその査定ポイントがいくつかあります。
目次
外見は度外視することが多い
乗用車は、その特徴から、カラーリングが人気の黒や白だったりキズやへこみなどが少ない中古車の査定評価がいいのがほとんどです。
ただし、普段現場を走り、過酷な使用状況にさらされることの多いトラックに対しての、外見への評価は、まあ、きれいに越したことはありませんが乗用車のそれと比べると、些細なチェックポイントになります。
地方で変わる査定
実は、平成18年からトラックに多いディーゼル車の乗り入れと走行を制限する条例が施行されています。
この条例で定める粒子状物質の排出基準値を満たないディーゼル車は、対象地域で走ることすらできなくなっています。
具体的には
- 東京都
- 23区ほか、28市町村
- 埼玉県
- 60に及ぶ市町村
- 千葉県
- 千葉市、船橋市などを含む16市町村
- 神奈川県
- 横浜市や横須賀市など26市町村
- 愛知県
- 名古屋市、豊田市などほぼ県内全域
- 三重県
- 四日市市や桑名市など、6市町村
- 大阪府
- 大阪市や堺市など37市町村
- 兵庫県
- 神戸市ほか13市町村
この8都府県の1部もしくは全域がそうで、これらに所在地のあるトラック買取業者に対象車種の買取を依頼してしまうと、買取不可、もしくはかなり低い査定評価をされることがあります。
参考までに、自分のトラックが規制の対象なのかわかりやすくするため、ナンバーで分類しておきますので、査定に出すときや中古でトラックを購入するときの目印に使ってください。
- 普通車トラック
- 10~19、100~199
- 小型トラック
- 40~49、400~499、60~69、600~699
DPFの存在と査定
地球環境を守るための排ガス規制に理解をしても、上記で紹介した地域は首都圏、もしくは中京阪神の商業でも工業でも重要なところばかりです。
ここを走行できないとなればトラックを使用する商売の方にとっては死活問題、でもトラックは決して安物ではないので「はい、そうですか買い替えます」という訳にはいきません。
これを助けるパーツに今注目が集まっていて、それを装着することで条例基準をクリアーでき、対象地域を走行、通過することができるようになります。
それが、DPF「ディーゼル微粒子補修フィルター」で半永久的に条例の基準に反しなくなるパーツとしてもてはやされています。
価格は安物で10万円台から、高いものなら40万円で購入できほぼすべての車種に装着可能なので、大型で買取相場が高めの車種の査定を受けるときなどは、これがついたトラックほうが高い査定を受けることもあります。
ただ、
- 目つまりを起こし大きなエンジントラブルを引き起こしかえって高い修理代がかかった
- オイル交換をまめにしなくてはいけなくなった
- 燃費やパワーがガクンと下がった
などという声もちらほらあるので、一概に手放しで喜べるパーツではありませんし、査定額がほとんど変化しない時もゼロではありません。
そしてこのような不具合は、トラックが大きくなればなるほど顕著になるのも事実です。
最近はガソリントラックやオートマトラックも増えました
もちろん、条例の施行以後に製造販売されたディーゼルトラックなど基準値をクリアーしている車種と最近増えてきているガソリン使用のトラックなら全く問題ありません。
が、年式が古いもの大きさが大きいものに限ってその基準が厳しく設定されていて、やはり極力新しい車種やガソリン車種に買い替えを推奨する条例になっています。
ただガソリン車種は・・・
ガソリン使用のトラックならば、上記で紹介した縛りを気にせずにどこの地方で査定を出しても排ガス条例によってその評価に大きな違いは出ません。
ただし、ガソリン車とディーゼル車にはそのパワーに大きな違いが生じます。
そもそもガソリンしかない軽トラックや最近、俳優の小日向文世さんが出演するユニークなCMが話題のいすゞ「エルフ」や「とんとんとんとん日野の二トン」でおなじみ、日野の「ディトロ」などの小型トラックではガソリン・オートマ車種にも人気が集まり、その査定相場も安定して高い水準にあります。
ただ、一般的には悪路を重い荷物を載せて走るトラックではディーゼルが持つパワーを求められることも多いので、ガソリントラックへの評価が低いケースも良くあります。
用途が違う!大きさ別査定ポイント
ここまではトラックに共通するポイントでしたが、ここからは用途と大きさで変わるものです。
軽と小型は快適装備も重要
快適装備とはその名前の通り運転を心地よく、長距離運転や長時間の運転の際それをサポートする装備のことで、
- エアコン
- カーナビ
- ステレオやコンポ
- AC電源
などがそれにあたります。
乗用車に比べてこれらに対する査定評価が重要視されないトラックですが、小さいトラックに関してはこれらも査定ポイントとして評価するところも多くあります。
また、キャブオーバートラックと呼ばれる、ある程度の荷物とともに多くの人員を運べるトラックがありますがこれも快適装備が重要視される車種で、
- 造園業
- 塗装・左官業
- 大工・エクステリア業
などを営む方から強い指示を受けていて、住宅がどんどん立つ新興住宅地や駐車位置が限られる現場での作業が多い都市部では大変人気なので、その査定額が高い傾向があります。
事実、地方とっしのど真ん中に合った中古車店で筆者が勤めていた時、よく売れるこちらを経営者は好んで買取やオークションで仕入れ、確かに店頭に並べると即売れることもありました。
大型トラックは荷台の状態やエンジンの程度重視
一方、バリバリの現場でトンを大きく超えるがれきや鋼材を乗せしかも長距離を走り回る大型のトラック、具体的には運転するために大型免許が必要な11トン以上のトラックについては、その他の乗用車や小型トラックとは全く違い査定になると考えましょう。
まあ、エアコンぐらいはしっかりと聞いてほしいところですが、カーナビがどうとかコンポが新しいとか外見がきれいだとか言う点はほとんど査定に関係してきませんし、余計なものはついていないぐらいの方が業者としてはありがたいぐらいです。
よく業界内では、「トンいくら」といいますが大きくなるにつれその価格がどんどん上がり、走行距離についても乗用なら査定の大きな分岐点になる10万キロの走行距離もあまり関せず、エンジンの調子と荷物を積む荷台やダンプ機能がしっかりとしていれば、新車の値段と比例した高い査定を受けることがほとんどです。
ただし、一般的な買取店や中古車店では大きくその整備手順が異なり、タイヤなど部品1つとっても巨大で専用の機械や工具を持っていないとそもそも整備が不可能、売り物にできないことが多いので査定をしないところも。
ですのでそういった大型トラックの買取は、それを専門に扱うトラック専門店に持ち込むほうが賢明です。
「準中型免許」の登場はトラック査定を変える?
実は20017年3月12日から、道路交通法が数点改正されその1つがトラックの査定相場に影響を与えるのでは?と筆者はみています。
それが「準中型免許」制度の施行で、これは従来あった中型免許が20歳以上で運転歴2年以上ないと取得できなかったのに対し、普通免許を取得していない18歳の新卒高校生でも取得できるようになるのです。
これにより、近年減ってきているのが問題視されている運送事業者のドライバー数の確保につながるのではないかといわれていて、合わせて準中型免許で運転できる、3,5トン~7,5トンまでの中型トラックの需要が増え、合わせてその査定相場が上がってくることが予想されます。
もし、この範囲のトラックを査定に出そうと考えている方がおられたとしたら、20017年3月以降の施行なのでその恩恵を受け社会に飛び出した新卒者が働き始める同年春以降まで、待ってみるというのも、ひょっとしたら良い手になるかもしれません。
まとめ
最後は筆者の「予言」めいたものになりますので、完全にうのみにするのもなんですが「需要と供給」が中古車査定に大きく関わることに違いはありません。
市場がダイレクトの反応するのに時間がかかるかもしれませんが、最近はネットなどの発達でそのスピードも上がってきました。
トラックはその車両価格が一般車種より高めで、専門性あるのでよく情報を精査して、売却先とともにうまい売却タイミングも模索するよう気を配ってください。