タウンエースやハイエースの商用バンとしての成功と裏腹に、日産エルグラントやホンダステップワゴンに対抗する、大型乗用ワンボックスの分野で少しだけ後れを取ったトヨタ。

ただ、現在はしっかととその大型乗用に加えて、ミニバンでも対抗車種を展開しそれらが新車販売台数の上位に食い込んでくるようになりました。

ヴォクシー・・ライトエースノアの後継車

ライトエースノア1996年から5年間だけ販売されていたライトエースノアは、先代ライトエースのキャブオーバーから一転、対抗するライバルの日産セレナなどと同様のセミキャブ。

安全性能を高めたりボディーカラーを見直したりと、なんとか加熱しだしていた家庭用ワンボックス商戦に食い込もうとしたトヨタですが、いまいち商用車臭が抜け切れてなく、兄弟車種であるタウンエースノア(ノアの前身)同様、ファミリー層からの支持がいまいちでした。

そこでトヨタはプラットホームからその設計を大幅に見直し、シャープなグリルや個性的でクリア感が強い「鋭い眼光」のヘッドライトなど、ファミリー層というより若い世代をターゲットにライトエースノアを大幅に改良。

ファミリー仕様の姉妹車種「ノア」(カローラ店で販売)ともに、2001年このヴォクシー(ネッツ店で販売)は誕生しました。

ボクシー発売開始されるや否や、このヴォクシーとノアはそれぞれのターゲット層から受け入れられ2000年の時点では唯一好調だったエスティマ以外の車種ではホンダと日産の後塵を拝していたこの分野で一気に飛躍。

2002年には、日産セレナとホンダステップワゴンの販売台数をノアともども上回るなど、トヨタの底力がさく裂しました。

その後もライバル車種との苛烈な開発競争は続き、抜きつ抜かれつを繰り返しつつ2007年登場した2代目も同年新車販売台数のトップテン入り、現行である2014年モデルの3代目に至ってはそれまで大型ワンボックスの分野で他を抑えることの多かった、2005年登場の3代目セレナの新車販売台数を初めて抜き、それは現在まで持続しています。

新車人気が高い=中古車人気もあるのが常ですがこのヴォクシーはトヨタの考え通り若い世代の男性、しかも「パパさん」からの評価と人気が高いのが特徴。

そのため禁煙車や、ワンオーナーで車内の状態のいいものなど、他のファミリーワンボックスと共通の査定ポイントに加えて、より洗練されたスタイルとなった2代目の後期(2010年式以降)で、色はブラックのものが高査定をされています。

また、3代ともに設定されている定番のカスタムモデル「煌」は、力の弱い子供でも簡単に締められるイージークローザーが付いたデュアルスライドドアや、ワイヤレスドアロックリモコンを装備。

さらに、男心をくすぐるメタルメッキ塗装ドアミラー・ハンドルやアルミホイールなどでその高級感をアップした特別仕様車で、特にその査定額が高く設定されています。

ちなみに、現行の3代目からはこのヴォクシーとノアに遅れてトヨペット店でこれまた兄弟車種、「エスクァイア」が販売開始されましたが、こちらも売り上げ好調。

この3車種のことを「トヨタワンボックス3兄弟」と呼び、2016年の年間新車販売台数でみると、この3兄弟を合計すればホンダのN-BOXを抜き去り(19万台超!)、プリウスの牙城に迫る第2位にまで至ります。

アルファード・・エルグランドの対抗馬として誕生

アルファード先代がハイエースワゴンであるアルファードGについてここで紹介し、レジアスやグランビアなどが前進のアルファードVは2代目以降「ヴェルファイア」となったので、別の車種としてまた機会があれば詳しく。

初登場は2002年でどこかモダンでクラシックな佇まいのエルグランドに対して、ウッディなインパネなど日本人好みを意識したインテリアが特徴で、それは6年後の登場する2代目アルファードにも引き継がれています。

実はその販売開始日も、2代目エルグランド発表の翌日に設定するなどバキバキに意識、親日家としても有名なジャンレノをCM起用し「最高の自分を愉しむ人へ。」がキャッチフレーズ。

日本初となるワンタッチするだけで電動で開くバックドアや、リモコンで開閉できるパワーウィンドウが全車に標準装備されていることが話題になり、一気にその存在が知れわたりました。

日本でワールドカップが開催され熱い試合が行われていた時に始まった、日産との真っ向勝負となったこの大型高級ワンボックス車対決。

結果はアルファードの圧勝で、これ以降エルグランドが新車販売台数でこのアルファードを上回ることが現在に至るまでなくなりました。(2016年年間販売台数までの比較)

2008年に販売開始された2代目からは、前述した「V」ネッツ店取り扱いとなったヴェルファイアとマスクの違いなどで明確な住み分けがなされましたが、精悍ないでたちのヴェルファイアの販売台数の方が好調で、若干アルファードの存在価値が低下することになります。

2011年のマイナーチェンジ後、2代目後期からはそれがより顕著となり、登場以来維持していた新車販売台数トップ20から転落、中古車市場でもこの2011年から2015年までのアルファードは、同程度のヴェルファイアより安めの査定がされることが多い傾向にあります。

アルファードしかし2015年1月、このアルファードは驚きの変身をして世間を騒がせます。

これまでトヨタはあくまで「高級なミニバン・ワンボックス」という位置のこのアルファードを据えていましたが、その立ち位置を大幅に変え「大空間高級サルーン」として開発販売開始。

この現行モデルが果たして世間からどのように受け入れられるのか、それによって中古の出物の相場や買取査定が大きく変わってくるでしょう。

シエンタ・・トヨタの3番手にまで成長した「サブコン」ミニバン

シエンタ2016年度の新車売り上げ台数では、ホンダのフィットや日産ノートなどの強豪を抑えて第5位、前年比でみると約倍近くも売れたのがこのシエンタです。

ホンダのモビリオや日産キューブ(3列のキュービック)など、ボディーサイズはワンボックス・ミニバンとしては小柄で5ナンバー設定ながら、7人乗車が可能。

まさに日本にピッタリな、サブコンパクトミニバン通称「サブコン」ミニバン車種として2003年から2015年まで、実に12年間販売されていたのが初代モデルとなります。

良くも悪くも安定した売り上げを記録したのが、その初代モデルのロングラン理由、ただ2009年、このサブコン市場に強力な新興勢力が現れます。

それが、モビリオとモビリオスパイクの後釜として生まれたホンダのフリード。

ホンダの高級ワンボックス車種として当時国内で売られ、今は中国専用車種となっている「エリシオン」を思わせる高級感あるフロントマスクとは裏腹のコンパクトさと使い勝手の良さから大ヒット、シエンタの販売台数はこれ以降一気に低空飛行となってしまいました。

「ミニバンは箱型」という、旧態依然としたイメージを払しょくする登山シューズをモチーフにデザインされた現行は、そのカラーリングも全8色を用意するなどかなりカジュアルで、街を走っている姿は非常に目立ちます。

ハイブリット設定をされたモデルも同時に販売され、前述した通り今現在人気爆発中。

そのため、初代シエンタはその中古査定相場がグンと落ちている時期になります。

ただし、初代も長く安定した人気を誇ってきたモデルには違いなく、今の騒ぎがひと段落すれば元の買取相場に戻ってくるので、シエンタ人気が落ち着くのを待つというのも手ではあります。

まとめ

トヨタは今回名前を上げたもの以外にも、その販売チャネルごと姉妹・兄弟車種を持っているため若干混乱しますが、今回はできるだけわかりやすく整理してみたつもりではいます。
しかし、これほど多くの派生車を展開し、そのどれもがセールス好調であるトヨタのブランド力には頭が下がります。

ですが、他メーカーもそれにくらいついてこのジャンル自体成長していった経緯が、書いている筆者にも大変勉強になるワンボックス・ミニバン車種紹介と査定傾向シリーズなりました。

査定傾向はあくまで参考であり、必ずこの通りに動くというものではありませんが、このジャンルの車種の歴史や、良さを知るための「読物」としても楽しいように構成してみましたので、暇つぶし感覚で読んで中古車の購入や売却時の参考にしてみてください。

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