通勤に適している車といえば、燃費の良さや毎日の運転でも疲れにくい乗り心地の良さが売りの車種。
買い物では小回りが利いて、車庫入れが苦手な主婦層でも安心して乗れる性能や、両手がふさがっていても便利な自動スライドドアなどを装備している車種がそれぞれ向いていると考えられます。
目次
燃費!それならやっぱりプリウスでしょ?
一番手に登場するのは、トヨタが誇る世界初の量産型ハイブリット車で、
- 乗り降りと運転のしやすさ
- 低重心による安定性のアップ
- 流れるような華麗なデザイン
など、実に46項目に及ぶ改良点を追い求めて開発された「TNGA-C」と呼ばれる新プラットホームを採用した新型の売れ行きも好調なプリウスです。
ハイブリットシステムを先代よりさらに小型化・軽量化したことで最安グレードの「E」はその燃費が40km/Lオーバー、他の上位グレードも37km/Lを超える燃費性能を実現。
5ドアのハッチバックスタイルという市民権を獲得した2代目からの伝統は受け継ぎながら、その2代目で使用していたニッケル水素電池から、それより軽く小さいのに高性能で充電量も多いリチウムイオン電池が「S」以外のすべてのグレードで全車採用されています。
さらに、先代から大きく変わった点としては、非常に低重心で地を這うようなその車体デザイン。
トヨタマークの設置位置が、往年のスポーツクーペ「ハチロクレビン・トレノ」をモチーフに2012年に販売開始されたスポーツFR車種「86」と同じ位置なことでもそれがよくわかります。
まるでスポーツカーを思わせるそのいでたちから、若い男性サラリーマンからの支持も高くなっているのがこの新型プリウスの特徴で、中高年ユーザーからの乗り換え需要だけでなくからだけでなく、新規購買層の拡大にそれがつながっているようです。
また、これまでなかった4WD設定も登場し「E」を除くすべてのグレードに設定できるようになっているため、維持にコストのかかるRV車ユーザーからの乗り換え需要も伸びています。
男ならいつかは…クラウン
筆者も含め、多くの男性にとってこのクラウンに乗って通勤するというのは、長年の夢であり「ロマン」です。
トヨタをいや日本を代表する高級セダン車種であり、長く日本車の頂点に君臨するクラウンですが、2012年に登場した現行は先代が最安グレードでも540万円だった新車価格を大幅なダウンサイジングによって410万円にまで値下げを実施。
燃費性能もこれまでの14km/Lから23,2km/Lにまで大きく向上させ「高級」志向から「エコ」志向への転換期を迎えています。
とはいえ下がったといっても400万円オーバー、やはりそこはトヨタのフラッグシップ車として、その乗り心地や洗練されたフロントマスクに漂う高級感はそのまま。
インテリアもエアコンや、
- アクセル操作のレスポンスを上げ坂道などを俊敏に走行できる「パワーモード」
- 駆動力を緩やかに、しかもエアコンを自動調整するなど燃費に考慮した「エコモード」
- 雪道などスリップしやすい路面での発信をスムーズにする「スノーモード」
がチョイスできる「ドライブモードセレクト」の操作がワンタッチでできるマルチオペレーションタッチを全車標準装備するなど、日頃のドライブをより心地よく優雅にする工夫が随所にちりばめられています。
さらに、最大30km/h減速し衝突を回避またはその衝撃を最小限に食い止める「プリクラッシュセーフティーシステム」と、アクセルの踏み過ぎでの衝突を未然に防ぐ「ICS」をどちらもトヨタ車として初めて装備。
その安全性能で一家の大黒柱を守るこのクラウンは、今後も多くの大人の心をつかんでいくであろう「憧れ」の車種であることに変わりはないでしょう。
子連れの奥様に大人気!乗り降り楽ちんなタント
2003年の初登場当時、軽自動車最長の2m40cm超えのホイールベースを誇りイタリア語で「とても広い」を意味するその名に恥じない、広い車内空間を実現した大ヒット車種のこちら。
初代の成功に勢いを得たダイハツは、2007年にメジャーチェンジした2代目タントに軽自動車では初となるピラー無し、フルオープンで乗り降りが非常にスムーズな「ミラクルオープンドアを助手席側に採用。
福祉車両としても重宝されたこの2代目が大きくそのユーザーを増やし、満を持して2013年に登場した現行モデルは、とうとう新車登録台数で全車種中NO,1に軽自動車として初めて君臨しました。(2014年度派生車種のタントエグゼを含む)
これは、先代までは助手席側だけだったスライドドアを運転席側にも設定したことと、ベビーカーがそのまま詰めるまで拡張したミラクルスライドドアの改良や、
- 衝突障害軽減ブレーキシステム「スマートアシスト」
- 急ブレーキをしたときにそれを後方車両にいち早く伝え注意を促す、「エマージェンシーストップシグナル」
などといった安全装備を採用したことで、多くのママ層に支持を集めたのが一点。
さらに、精悍なデザインのフロントに大型グリルとLEDヘッドライトで存在感を出しインテリアも各所にシルバー装飾をしたり、ソファー型のベンチシートの採用で高級感を演出した「カスタム」が、若い男性層にも好意を持って受け入れられたことがその要因でしょう。
ワゴンRじゃないよ!ソリオだよ!
軽自動車は小回りも効いてコストもかからないけどちょっと遠方まで通勤する時や大員数を乗せての移動ではパワーが足りない…そう考える方から支持を集めその売り上げの順調なスズキのコンパクトハイトール普通車種「ソリオ」。
最近はアイドルグループ「TOKIO」がそのCMを担当している人気車種ですが、初代ワゴンRワイド、2代目ワゴンR+→ワゴンRソリオ時代は正直軽自動車であるワゴンRとの住み分けが明確になっておらず、「わざわざ普通車じゃなくてよくないか?」と筆者も思っていましたが、事実あまり販売台数が伸びていませんでした。
しかし、「ワゴンR臭」を払しょくするため新開発された新プラットホームによって、
- 車内長2m10cm、車内高1m34cmとコンパクトハイトール車としては最大級の車内空間
- 車内前後に移動できるセンターウォークスルー
- 挟み込み防止機能付き後部パワースライドドア(両側、Xグレードのみ助手席側のみ装備)
などが採用され、2010年正式にソリオとして登場するとその人気が爆発。
毎日たくさんの買い物をするママさんたちや、燃費もいいコンパクトな普通車として日頃は通勤に使いつつ、休日にはレジャーに家族を連れだすにも便利な車に生まれ変わったこのソリオは、一気に日産ムーブやトヨタbBなどのライバル車を抜き去り、このジャンルでトップクラスの売れ行きを見せるようになりました。
ソリオの牙城を崩せるか?トール
コンパクトハイトールという、主婦層にもファミリー層にもアプローチができるジャンルは今のところスズキソリオの独壇場、ライバルであるダイハツは長くその後塵を拝してきました。
そこに来てダイハツは自身が持つ軽自動車のノウハウを総結集、「家族に絶妙、新サイズ」をキャッチフレーズに2016年11月満を持してリリースしたのが、北欧神話の神の名前と背が高いという意図を込めて命名されたトールです。
まだ登場した手で車体の詳しい評価はできませんが、ソリオに比べるとかなり精悍でそのシャープな見た目が印象的。
アクセル操作のレスポンスを上げるスポーツモードを装備するなど、走りを重視した設定がなされているところと、「家族は成長する、クルマはどうする?」のセリフで始まるCMでは記念日や、レジャーの際にトールがレキシの曲とともに登場するところを見ると、若い世代のパパさんたちがターゲットか。
通勤や買い物・レジャーとその用途は広く、ソリオの地位を揺るがしてしていくことは間違いなし、トヨタのタンク・ルーミー、スバルのジャスティスもOEM提供を受けた同一車種なので、この「トール4兄弟」が世の中に溢れる日も遠くないのではないでしょうか。
今回も悩みました
まだまだ実績のないトールはまず除外、ソリオも確かに人気ですがそのオールマイティーさがかえって特徴が無いと思われる可能性も。
クラウンは確かに良い車で、それで通勤できればいうことはないのですがやっぱり価格帯が大きなネックになってしまいます。
そこで結論、今回の最強車種決定戦の勝者(車?)は通勤部門はプリウス、買い物部門はタントと決定いたしました。