さて前回の「パイオニア」的ハイブリット(以下HV)車種に続いてその後を追い、進化したシステムを搭載した次世代ハイブリット車種の紹介や、その査定のポイントなどについて。

さらに、HV車に共通する査定傾向などを詳しく説明していきたいと思います。

今やいろいろな車種に搭載されています

プリウスやインサイトは、生まれたときから生粋のHV車ですが、現在売られている元はガソリンで動く車種にもこのHV搭載モデルが登場し、今やHV設定がまったくされずに新登場する車種を見つけるほうが難しいほどです。

HV搭載車とガソリン車どっちを選ぶべきなの?

これは多くの方が気になる点だと思いますので、具体的な車種紹介の前にここでまず触れておきたいと思います。

例に挙げるのは2012年式、現行のクラウンアスリートのHV車、こちらの新車参考価格は最安グレードでも460万円程度からです。

そして、3年落ち走行距離4万kmの好条件車が330~350万円辺りで販売されているので値崩れ幅は110~130万程度となります。

一方ガソリン使用のアスリートの新車価格は、HVと同じ2,5LでNAエンジンのグレードである「SI-Four」なら同程度の470万円ほど、HVと全く差のない程度の中古車が330万~345万辺りで販売されているようなのでこちらの値崩れは125~140万円となります。

基本的なところですが、ハイブリットはそのどれもが走行距離が長めに推移するため、同じ走行距離で見ると、ハイブリット車の方が値崩れ幅が少ないのが特徴です。

ただし、ガソリンのクラウンアスリートには2Lの最安グレードがあり、それなら400万円以下で購入できること、さらに今回紹介したガソリンの「SI-Four」と同グレードのHVクラウンアスリートの新車価格は520万円近く、その差は実に50万円近くになるので、この値崩れ幅をどうとらえるかは、個々の判断によって分かれてきます。

個人的な見解ですが、普段長い距離を走るからと燃費のいいHV搭載のクラウンに乗ってその走行距離が延びてしまうと、有利だったはずの値崩れ幅はたちまち逆転、新車価格も決して安くないためその場合は「乗りつぶし」を視野に入れるべき。

さらに、これは車種によって大きく変わりますが、クラウン特有の乗り心地やラグジュアリー感はたとえ最安グレードでも変わることなく、それをできるだけ安く求めるならガソリン車の新車や中古車を選んだほうがいいのではないかと考えます。

今話題のHV車種とその査定

前述したとおり、HVはもはや1つの仕様というよりも、標準装備のような扱いになるまで普及が進んでいますが、こんな中でも特に新車人気が高く、中古車市場も大いに騒がせている代表的な車種を紹介しその査定傾向を見てみたいと思います。

トヨタ アクア・・「HVのトヨタ」を確定付けた新世代車種

トヨタアクアプリウス同様、生まれながらのHV車であるこちらは、初代プリウスの5ナンバー設定を受け継ぎ、トヨタのHV分野での国内シェア確保を目的として、2011年の登場しました。

その目論見は大成功、今や先輩のプリウスを脅かすほどの新車販売台数を誇り、特にその豊富なカラーリングやコンパクトさから、女性からはこのアクアへの評価の方がプリウスより高いようです。

とはいえ、リーズナブルで余計な装備を排除し商用を視野に入れた「L」から、タイヤサイズをアップさらに地上高を2cm上げた都会派クロスオーバー仕様の「X-URBAN」まで多彩なラインナップがされており、世代を問わず受け入れられ高いグレードのモデルは、特に中古車市場でも非常に高値で取引されています。

スタンダードグレードの「S」は新車参考価格で188万円、2度の車検を終えた5年落ち修復歴なしで走行6万kmの販売相場が総額80~90万円あたりなので、買取価格は45~65万円あたりかと想像できます。

これは、同じクラスのガソリン車から考えるとかなり高い相場ですが、購入層が幅広くカラーリングもHV車の中ではかなり多い車種なので、他のHV車種がそれほど業者によって評価が変わらない中、査定額が業者によってかなりまちまち。

ですので、できれば一括査定サイトなどを駆使して、できるだけ広範囲から査定見積もりを取る方がいいでしょう。

日産 ノートHV・・この登場がノート全体の販売を伸ばす結果に

noteev2016年のマイナーチェンジ、いやいや筆者的にははっきり言って「ビックメジャーチェンジ」とも思えるのですが、量産型のコンパクトカーとしては世界初となる、「シリーズ型」のHVシステムを搭載したモデルを追加販売し始めた、日産ノート。

すごくわかりやすく、このシリーズ式HVを説明すると、電気自動車である同社のリーフが抱えるその充電機会の少なさと航続距離の問題を、ガソリンで動く「発電機」としてエンジンを使用することでカバーする方式のことです。

「それってプリウスもそうじゃん」と思うかもしれませんが、このシリーズ式HVの場合エンジンは走行には使われず、完全に電気モーターのためだけに働きます。

つまり、「発電機を積んだ電気自動車」がこの新型ノートHVで、日産はこれを「E-POWER」搭載車と呼び従来型HV車とはっきり区別しています。

エンジンで走るわけではないので、もはや燃費なのか何なのかわかりませんがカタログ燃費は34~37,2km/Lと高水準。しかもクーラーの仕様が増え燃費が悪くなる夏場ではなく、バッテリーの性能が落ちる冬場にその燃費が低下。

低速走行が多い街乗りの方が、高速道路や長距離走行などでの電気消費が多い時より燃費がいいなどといった、ガソリン車とはあべこべの面白い特徴を購入者が口コミに上げたことなどで、もともと多かった主婦層だけでなくサラリーマンや若い男性からの注目もさらに集まっている様子。

今後、次世代HVの一角として王者プリウスの牙城を崩すのは、この車なのではないかともいわれています。

正直、新車価格は177万円からと同ランクのコンパクトカーとしてはかなりの高額で新古車もほぼ値崩れしていませんし、中古の出物はまだ少なくその査定傾向を分析することはできません。

ただ、数年後中古車の出物が出回るときには、はっきり言って高値で推移してくることは間違いない車種の1つで、すでに今から中古での購入を視野に入れている方も多いのがこのHV車です。

HV車全体に言えること

最後に、すべてのHV車に言える査定傾向とそれを引き上げる手段について触れて、2回にわたったこのシリーズを締めくくります。

とにかく走行距離に注意

HV車の燃費の良さが生きてくるのは、長い距離を走ることですが何しろこの走行距離が査定評価に占める割合がめっぽうデカいのが中古車市場の特徴です。

ここまで何回の触れた点ではありますが、燃費の良さを念頭に置いてHV車を選択する場合は、その生涯が終わるまで付き合っていくことも視野に置いておいた方が無難です。

しかし、HV車を選ぶ理由の1つに電気モーターによる静粛性やスムーズな加速に目をつける方も多く、これはプリウスやアクアなどのミドルクラスのHV車より、高級HV車種の方がその傾向が高くなります。

この場合は軒並み走行距離が抑えられていることも多く、それらは特に高い値段で査定されますし、トヨタの高級HVでそのような程度の良い中古車を手放すときは、他社よりその評価が高い「T-UP」に一度は持ち込んでみましょう。

そして、中古車の購入時にこの走行距離が少ないのにやたらとお手頃な車体を見つけたときは、事故などのいわくつきのケースがほとんどなので、それを購入するときはある程度、事故のダメージによる後遺症などは覚悟しておくべきです。

圧倒的に白と黒が人気です

購入層が落ち着いた年の世代が多いHV車にも、赤や青さらにピンクなどといった、若手や女性を意識したカラーリングを用意している車種もあります。

ただし、他のガソリン車でもそうなのですがHV車は特にそんな派手な色の車体への査定が厳しいので、買い替えを考えているときは白と黒のカラーリングのHV車を選択しておくのも、査定で有利になる1つの方法です。

海外需要がそれほどない

今、中古車市場の国内キャパは少子化などもあって減少傾向にあり、多くの中古車は海外へその第2の人生を求めて旅立っています。

そして、本来国内では需要の少なくなっている過走行車や10年以上経過している古い車に意外な査定額が付くのもそれが原因ですが、HV車のそれにはあまり査定が付くことはありません。

というのが、これほどまでにHV車が乱立し毎年新しいHV車種が生まれているのは、世界中でも日本だけで、中古車として海外に輸出してもその複雑なHV機構を整備できるメカニックや設備も備わっていない国がほとんどなので、需要がほぼないのが現実です。

そのため、10万kmを大きく超えるような過走行、10年以上経過した低年式のHV車は最後の最後まで乗り続けて廃車として引き取ってもらい、わずかな屑鉄代を受け取る以外まず手がない可能性が高くなります。

まとめ

HV車は時代の流れ、今後も多くの搭載車が登場してくることが予想されます。

そして、技術革新の早いHV車は「HVからのHV」の様に乗り継ぐ方が非常に多いジャンルで、今回紹介した新型ノートHVのような高性能HVが販売されると、一時的に中古HV車があふれ、その査定が下がる傾向も強く出る車種です。

乗り継ぎなどで査定に出すタイミングを見定めるために役立つので、新車のリリース情報に普段から関心を持っておくとよいでしょう。

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